ソテツはあまり知られていないですが、約1万5千年とも2万年ともいわれる大昔から、この地球上に存在していました。
そんなソテツの秘密は?そんな背景から生まれた花言葉は?その魅力を見ていきましょう。
ソテツの基本情報
- 科・属名:ソテツ科・ソテツ属
- 学名:Cycas revoluta.
- 和名・別名:蘇鉄(ソテツ)・鉄蕉(テッショウ)、鳳尾蕉(ホウビショウ)
- 英名:Fern palm,Japanese sago palm
- 原産地:熱帯アジア
- 開花時期:5~8月
- 花色:黄、白、茶
- 誕生花:2月14日、3月14日、11月3日
ソテツの特徴
ソテツは野生種では鹿児島県や沖縄県などの海沿いで見つけられます。平均的な高さは3~5m程度の低木ですが、中には、8mにまで育つものもたまにいます。1年に数cmしか伸びないソテツは、実は最初に生息を開始したジュラ紀では不利な立場にある植物といえました。
この時期、植物は太陽光を求め、そして草食恐竜たちから逃げるため、高く成長していました。そのためソテツは決してこの時代の強者ではありませんでした。
しかし、ほかの植物がその後の訪れる氷河期を最後に死に絶える中、ソテツは恐竜時代の後でも生存し続ける数少ない植物の一つになりました。その秘密は、ソテツ、正確にはソテツの根にあります。
ソテツの根の特徴はその太さです。そのまるで大根のように太い根の中にシアノバクテリアというバクテリアが生息しているのです。このバクテリアの空気中の窒素を固定する性質を生かし、ほかの植物にとっては生息の難しい土地の痩せた岩場でも生息でき、また、ほかの植物の死に絶えた寒冷期の環境でも生き延びてこられたといわれています。
あまりおいしそうなイメージのないソテツですが、実は食用にすることができます。
奄美大島で作られる蘇鉄味噌がその一つです。そのためには、ソテツに含まれる澱粉を抽出し、サイカシンを取り除くことが必要です。幹の皮を剥ぎとり、ゆっくりそして充分に水に晒し、発酵させた後に乾燥させることで食用にすることができます。
なお、サイカシンをきちんと取り除かないと急性中毒症状に陥るので、好奇心で食べてみるのはお勧めしません。たとえ澱粉を水に晒す時間が不十分などの理由ですぐに影響が出なくとも、長期間にわたって食べた場合、毒は排出されずに蓄積されるため、神経病につながる危険があります。
体調に不調がなく、大丈夫そうだから、と何度もチャレンジするのはやめましょう。
ソテツの花言葉
ソテツ属は主に東南アジアの亜熱帯地方に見られます。その種類は300ほどの裸子植物です。日本でも九州から南西諸島に一種が分布し、生息範囲は鹿児島から沖縄諸島とされています。その一種というのがサイカス・レボルタといい、日本に唯一自生するソテツです。
通常花言葉とは西洋と東洋とありますが、ソテツに関しては西洋に自生しない影響で西洋での花言葉はありません。なお、あくまでも自生しないだけであって、観葉植物としてアメリカや欧州でも見られます。
さて、ソテツの花言葉は『雄々しい』です。
あまり枝分かれせず、ずっしりと一本幹である風貌からもその花言葉はぴったりですが、やはり恐竜の生きていた時代からたくましく生きていたということも大きく影響するでしょう。
風貌の話をするのであれば、ソテツはヤシの木を小さくしたような見た目ですし、英語表記ではSago Palm(Palmはヤシの意味)と書き、よくカナリーヤシ(フェニックス)やワシントンヤシ(ワシントニアパーム)などと共に、九州南部や南西諸島での南国ムードを演出するために一緒に設置されていることからヤシの木とつながりがあると思われがちですが、実際にはヤシの木はヤシ科でソテツとは全く別です。
まとめ
ソテツは多くの魅力が秘められた古代からの生きた化石です。
もし誰かにソテツを贈る場面がありましたら、雄々しい、という花言葉だけでは言い表せないその魅力をぜひ語ってください。