カモミールは眠りを誘うカモミールティー、白や黄色の優しい色合いから雑貨のイラストに採用されたりと、なんとなく優しい花言葉が合いそうなお花なのですが、実はその雰囲気とは不釣り合いな花言葉があることをご存知でしょうか。
どんな花言葉か、その由来などを含めてみていきましょう。
カモミールの基本情報
- 科・属名:キク科・シカギク属
- 学名:Matricaria recutita
- 和名・別名:カミツレ(加密列)
- 英名:German chamomile
- 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ、アジア
- 開花時期:3月~7月
- 花色:白色
- 誕生花: 2月14日、3月14日、11月3日
カモミールの名前の由来や特徴
ハーブティーの一種であることからも日本での知名度が高いカモミールですが、日本に伝わってきたのは江戸時代の末期です。原産は地中海地方ですが、そこからオランダに、そして日本に西洋医学における民間薬の材料として入ってきました。
和名がカミツレと呼ばれるのは、オランダ名の「カミルレ」がなまって生まれたとされています。
ちなみにカモミールという名前の由来は「khamai(大地の)」と「melo(リンゴ)」というギリシャ語が組み合わさったものです。その名の通り、りんごのような香りが特徴的な花です。
カモミールには実はいくつか種類があり、その代表的なものがジャーマンカモミールとローマンカモミールです。見た目は似ている二つですが、並べてみるとジャーマンカモミールの方が真ん中の黄色い部分がより膨らんでいます。
また、ジャーマンカモミールは花の部分からしか香りがしませんが、ローマンカモミールは草部分も含めて全体から香があります。
ハーブティーにするとジャーマンカモミールの方が匂いに甘みがでます。ジャーマンカモミールは食用ですが、ローマンカモミールは基本食用にはなりません。なお、流通や生息数を考えるとジャーマンカモミールが一般的にカモミールと呼ばれています。
見た目は似ている二つですが、その薬効は少々異なります。まずジャーマンカモミールは、アズレンが多く含まれることからかゆみや虫刺されといった炎症作用からくる肌トラブルに効きます。
他にも古くから肌荒れや冷え性、さらに女性にうれしいPMS(月経前症候群)といった症状に効く薬用ハーブとして重宝されてきました。対してローマンカモミールは、エステル類を多く含むことで鎮静作用があり、さらにその香りは安眠効果があるとされています。
そのため、もしお休み前に摂るのであれば、ローマンカモミールがおすすめです。
カモミールの花言葉
かわいらしいカモミールにぴったりな「清楚」という花言葉もありますが、そのほかに「逆境に耐える」「苦難の中の力」があります。それぞれの言葉の由来ですが、清楚、というのは何も見かけがかわいらしいから、という理由ではありません。
イギリスではチュダー王朝のころから、芝生として利用することがブームで今でもバッキンガム宮殿といった由緒正しき庭園には使用されていますし、古代エジプト時代では人々はその花の形が太陽をかたどった花としてカモミールを最高神である太陽神に捧げる花として崇めていました。
そのイメージから清楚、という花言葉がついたとされています。
では、残りのカモミールの花言葉がどこから来たかというと、前述したとおり、イギリスで芝生として利用されていたカモミールですが、その芝生の中で何度も踏まれても何度もたちなおった様子から、逆境、苦難に耐えるというのがついたとされています。
まとめ
かわいらしい花とフルーティな香りで贈り物としてもぴったりのカモミールですが、今後はぜひ花言葉も加味してプレゼントしてみてください。
会話のきっかけにもなるのでお勧めです。可愛い見た目と反してずいぶんと図太い花言葉、食べたり薬にできたりと意外性のあるカモミールはきっと面白い話題になるでしょう。