桔梗咲けども花咲かずー下総(現在の千葉県北部と茨城県西部を主とする地域)には「咲かずの桔梗」と言う伝説があります。
取手市米ノ井に「桔梗塚」と言う、平将門と愛妾桔梗に由来する塚がある。将門の愛妾桔梗が、将門を裏切ったと言う無実の讒言で命を絶たれます。殺された桔梗の恨みからか、裏切られた将門の呪いからかこの地には桔梗が咲かないと言われておりました。
どこかはかなげな桔梗の花に非業の死を遂げた桔梗の悲しみが重なります。
桔梗(キキョウ)の基本情報
桔梗(キキョウ)の特徴
草丈60~80㎝、葉は長卵型で短毛が生え、葉や茎を傷つけると白い汁が出てくる。茎の頂に花を横向きに咲かせ、花冠は径4~5㎝で五裂の広鐘型、一重咲、八重咲の他、斑が入ったものや矮性種、蕾のままのものもある。
桔梗の根は桔梗根と呼ばれ生薬として使われる。サポニンを多く含み去痰、鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用がある。また、若苗を茹でて水に浸しから和え物、天ぷら、油いためなどにして食べる地域もある。
桔梗の花色
俗に言う桔梗色は青みを帯びた紫色で代表的な桔梗の花の色で、他に白色・青色・紫色・桃色等があります。
五裂した桔梗の花の形はそのバランスの良さから家紋(桔梗紋)として用いられました。本能寺の変で有名な戦国の武将、明智光秀も桔梗紋を使っています。また京都にある陰陽師安倍晴明を祀る清明神社では晴明が用いた祈祷呪符の一つ五芒星の印を清明桔梗と呼び神紋としています。
日本人の身近な花であり神聖な花、桔梗はその姿が好まれ、いけ花や茶花としても古くから使われています。
夏と秋の誕生花 桔梗
開花期が長い桔梗は、真夏の8月2日・8月28日生まれの方と初秋の9月1日生まれの方の誕生花です。
まさに咲こうとする桔梗のつぼみのふっくらとした姿が浮かぶ正岡子規の句です。ふっくらとした蕾、凛とした花、そんな桔梗の花言葉知りたくなります。
桔梗の花言葉
- 桔梗の花言葉
「永遠の愛」「気品」「従順」「清楚」 - 紫色の桔梗の花言葉
「気品」 - 白色の桔梗の花言葉
「清楚」
凛とした桔梗の姿とおりの花言葉のように思えます。
古都鎌倉では瑞泉寺、浄智寺の桔梗が有名です。暑い夏に涼やかな風を送り込んでくれるように静かに咲く桔梗。冷房などない頃、桔梗の花に涼を求めて僧房の庭に植えたのでしょうか。
桔梗の花言葉まとめ
梅雨入りから初秋のころまで私たちを楽しませてくる桔梗は武将の家紋に使われるなど古くから日本人の暮らしと密着した花です。
その花の姿から花言葉は「永遠の愛」「気品」「従順」「清楚」紫色の花は「気品」を白色の花は「清楚」、楚々とした古風な女性を思い浮かべる花言葉ですが、桔梗と聞くと山梨県の銘菓、桔梗屋さんの桔梗信玄餅の袋の桔梗柄の印象も忘れられません。
こちらの桔梗屋さんと武田信玄は無関係とのこと。そして武田信玄の家紋は菱形が四つ組み合わさった武田菱(信玄餅を包んでいるビニールの包みの柄です)で桔梗紋ではないことを最後に加えておきます。