夏の花

百合(ユリ)全般・色別花言葉(白・赤・ピンク・黄・オレンジ)

ユリ

今日 君の誕生日 ふと思い出した
元気でいますか しあわせですか
君と二人きりで祝ったあの日
しあわせなのが 切なかった
君を傷つけても 君が欲しかった
リリー・カサブランカの 儚く白い風が部屋を包んでいた~

さだ まさしさんの「October リリー・カサブランカ」

大輪で輝くばかりの白い百合「カサブランカ」その香りと共に幸せにできなかった君を思い出し、そしてしあわせを祈る。せつない気持ちと「カサブランカ」の花、百合は人々の記憶にその可憐な姿と共に、香りの記憶を残す花です。

喜びの時も悲しみの時も人生の様々なシーンに寄り添う花ではないでしょうか。良く知っているようだけれど意外に知らないことが多い、百合について、そしてその花言葉は?

百合(ユリ)の基本情報

ユリの分類と特徴

  • 分類:ユリ属 ユリ科 鱗茎を有する多年草
  • 学名:Lilium L
  • 和名:百合(ユリ)
  • 別名:由里(ユリ)、由利(ユリ)、山百合草(ヤマユリグサ)
  • 英名:Lily
  • 原産地:北半球のアジアを中心にヨーロッパ、北アメリカ等亜熱帯から温帯、亜寒帯にかけて広く分布
  • 種:原種は100種以上。園芸品種は130種以上。ユリ属の原種のうち日本に15種が自生、その中で7種は日本特産種
  • 開花時期:5月〜8月ごろ
  • 花色:白、黄、オレンジ、赤、ピンク
  • 誕生花:以下の記事で詳述

百合(ユリ)の学名・和名・別名

学名のLiliumはラテン語のLilium(白い花)が語源で、学名の最後につくLは、命名者カール・フォン・リンネ(Carl von Linnè)の略記。

和名の百合は、中国語にユリの読みを当てたもの、万葉集、古事記ではユリの音に由里、由利の字を当てていた。茎が細く花が大きい百合は風が吹くと花が揺れるため、揺り(ユリ)と呼ばれ、その音が転化されたと考えられる。

特徴

古代ローマ大プリニウスの博物誌では、薔薇に次ぐ高貴な花と語られる。ユリは多年草の鱗茎(球根)植物、鱗茎(球根)とは地下部の茎が変形してできた小さな鱗片の集まりでユリは主にこの鱗茎(球根)で増やします。

草丈は50㎝~150㎝、草丈30~40㎝の矮性のものもある。葉の形は細い線型が多いが、笹の葉に似ている物、卵形など様々。葉の付き方は互生(交互に葉が付く)、旋生(螺旋状に葉が付く)、輪生(茎の一つの節に葉が3枚以上つく)の三種類です。

花弁は6枚、一株に1~数個の半を咲かせます。芳香成分を多量に含み香水の原料として使われる。鱗茎はユリ根と呼ばれ和食の高級食材、そのまま蒸して食べてもほくほくとして美味。

食用にできる品種は、日本ではヤマユリまた漢方で使われる百合(ヒャクゴウ)もユリの鱗茎。咳、動悸を鎮め、イライラ、不眠等に処方されます。

花色は、主に白色、黄色、オレンジ系、赤系、ピンク系など、それぞれに濃淡や斑が入るものがある。

濃い紫色をしたクロユリは同じユリ科でもユリ属には属さず、バイモ(貝母)属に入りアミガサユリと同属です。

百合(ユリ)の原種は花形によって大きく4種類に分かれます。

百合(ユリ)の原種

ユリの花の色

テッポウユリ系

ラッパ形で花弁の先が軽く反る、花はおおむね横向きで香りが強い。
代表品種はテッポウユリ、ハカタユリ(中国原産・球根は高級食材)

ヤマユリ系

漏斗形の花で花径が大きく花弁は強く反る。球根は食用にされる。
代表品種はヤマユリ、サクユリ

スカシユリ系

盃型・茶わん型・星形の花、花を上向きにつける。
代表品種はスカシユリ、ヒメユリ

カノコユリ系

主に花弁が強く反りかえり球形になる。そりが弱く、星形や鐘形に咲くものもある。花は下向きに咲く。
代表品種はカノコユリ、クルマユリ

園芸品種は1964年に英国王立園芸協会により、これらの原種の交雑親によって分類されている。
主に下記の5品種群

百合(ユリ)の園芸品種

ユリ

アジアティック・ハイブリッド

アジア原産のユリを中心に交配された品種。
代表品種はエンチャントメンコ・コネチカットキング等。

ロンギフローラム・ハイブリッド

テッポウユリ系を交配した品種群。
代表品種は新テッポウユリ等。

マルタゴン・ハイブリッド

マルタンゴ・リリー、クルマユリなどを交配した品種群。日本では一般的で無い。

トランペット・ハイブリッド

中国産のキカノユリ、リーガルリリーを中心とした品種群。
代表品種はアフリカンリリー・ゴールデンスプレンダー等。

オリエンタル・ハイブリッド

ヤマユリやカノコユリ、タモトユリなど森林のユリを交配した品種群。
代表品種はカサブランカ・スター・ゲイザー等
*ハイブリッドとは、種や品種の異なる植物から生まれた子孫の意。

マドンナ・リリー 聖母の百合

聖母の百合

古代から、人と深いかかわりを持つ百合には様々な神話や言いつたえがあります。キリスト教の宗教画で、イエスの懐胎を大天使ガブリエルから告げられる聖母マリアを描いた「受胎告知」は、イタリアのルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダヴィンチやサンドロ・ボッティチェリの絵画でも有名です。

聖母マリアに懐胎を知らせる大天使ガブリエルの手には百合の花が持たれています。白一色のユリは聖母マリアの花(マドンナ・リリー)と呼ばれ、また受胎告知のユリ(Annunciation lily アナンシエイシャン・リリー)とも呼ばれます。

マドンナ・リリー(ニワシロユリ)は百合の中で最も甘い乳香の香り、オイルは抽出できない、外側が純白でめしべが金色であることから聖母マリアの純粋さを表す花と、ローマ教皇が決め、聖母マリアを描くときに描かれ、その祭壇に飾られるようになりました。

余談ですが、聖母マリアの処女性を守るために祭壇に飾られる百合は全ておしべを取り除くそうです。

純潔と貞節の女神 ヘラの百合

ヘラの百合

百合の伝説で代表的なギリシャ神話は、ゼウスがミュケナイの王女アクルクメーネーの美しさに惹かれ、彼女との間に子供が生まれる。しかしゼウスの妻ヘラの怒りを恐れたアクルクメーネーは城壁の外の野原のその子を捨ててしまいます。

その子を哀れに思ったゼウスは娘の女神アーテネーをそそのかしヘラを野原へ連れていき「哀れな子に乳を上げてください」と頼ませます。その子がゼウスの愛人の生んだこと知らずにヘラはその子に乳をのませます。

その乳を飲むと不老不死の身体を手に入れることができると言われ。ヘラの乳をのんだその子は不老不死の身体を持つギリシャ神話の英雄ヘラクレスに成長します。乳を上げる時にヘラクレスが力強く飲んだため、ヘラは痛さに耐え兼ね、その頭を引き離します。

引き離すときに飛んだヘラの乳は天へ飛び、天の川(Milky Way)に、地に落ちたものが白百合になったと言われます。純潔と貞節の女神の乳で不死身の肉体を手に入れたヘラクレスですが、ヘラの憎しみを買い、様々な困難に立ち向かうことになってしまいます。このお話はまた別の機会に。

百合 ユリ 花言葉 誕生花

ユリの花言葉

百合の花言葉は色や品種によっても様々、すべての百合に通じる花言葉は「純粋」「無垢」です。また百合が誕生花のお誕生日の方は6月11日・6月25日・7月31日です。

花色別の花言葉、誕生花は

  • 白色 「純潔」「無垢」「威厳」
    →7月14日の誕生花
  • 黄色 「陽気」「飾らぬ愛」
    →7月19日の誕生花
  • オレンジ色 「華麗」「愉快」「軽率」
    →6月2日・6月27日・7月1日・7月3日の誕生花
  • 赤・ピンク色 「思わせぶり」「虚栄心」
    →8月1日・8月11日の誕生花

沢山の品種のある百合、代表的な品種の花言葉と誕生花です。

  • カサブランカ(花色 白) 「偉大な愛」「高貴」「純潔」
    →5月9日・7月31日・11月6日・12月20日の誕生花
  • オニユリ(花色 オレンジ系)「賢者」「富と誇り」
    →9月1日の誕生花
  • カノコユリ(花色 ピンク系) 「上品」「慈悲深さ」
    →8月2日の誕生花
  • クルマユリ(花色 オレンジ系) 「純潔」「多彩な人」
    →7月2日・9月6日の誕生花
  • ササユリ(花色 淡いピンク系) 「上品」「清浄」
    →7月15日の誕生花
  • スカシユリ(花色 オレンジ系) 「飾らぬ美」「注目を浴びる」「神秘な美」
    →4月28日・6月5日の誕生花
  • テッポウユリ(花色 白色) 「純潔」「甘美」「威厳」
    →11月18日の誕生花
  • ヤマユリ(花色 白色 内側に黄色の筋と紅色の斑点) 「荘厳」
    →6月30日・7月10日の誕生花
  • ル・レーブ 「貴重な」「希少」
    →7月24日・7月31日の誕生花

百合の花の花言葉は、聖母マリアや女神ヘラとのかかわりが深い花であるという事から「純潔」「純粋」「威厳」「荘厳」など百合を崇拝する気持ちがあらわされた花言葉が多くなっています。

そのため、花嫁の純潔と貞節を表す花として古代より花嫁の花冠が作られ、現在ではブーケやバージンロードを飾る花として使われています。

百合 ユリ 花言葉 まとめ

古くは大プリニウスの博物誌にもその美しさの記録がある百合の花。

ギリシャ神話にも登場し、キリスト教では聖母の花と言われ世界中の人に愛される百合。日本では自生し初夏の風に花をゆらゆらと揺らす姿が可憐なことからしずしずと歩く乙女に見立てられ「たてば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」と美しい女性の立ち居振る舞いを例える言葉として使われております。

半日陰を好む百合は建物の東側の西日があまり当たらない場所に植えると上手に育ちます。一度植えると鱗茎が育ち、可憐な花と甘い香りを毎年楽しませてくれます。梅雨のころしっとりとした庭に咲く百合の花は大変美しいものです。

たくさん花色と品種のある百合、すべての百合に通じる花言葉は「純粋」「無垢」です。
色別の花言葉は

  • 白色 「純潔」「無垢」「威厳」
  • 黄色 「陽気」「飾らぬ愛」
  • オレンジ色 「華麗」「愉快」「軽率」
  • 赤・ピンク色 「思わせぶり」「虚栄心」

他に品種ごとの花言葉もあります。ユリの花をプレゼントするときは色だけでなく、品種ごとの花言葉を参考にすると、思いのこもった贈り物になりますね。
百合と一言で言ってもその形、色、香りは様々です。

たくさんある品種それぞれに物語があります。赤色の百合の花言葉の「虚栄心」はイエスの処刑と深くかかわりがあります。笠置山の百合は淡いピンク色のササユリしか咲かなくなったと言う、南北朝時代の後醍醐天皇の都落ちの伝説。

「古事記」書かれた「百合伝説」と奈良県の「三枝まつり」、カサブランカの原種で「ゆりの王様」と呼ばれる「やまゆり」にも多くの逸話が残されています。それだけ、百合の花が身近で愛されているとの証ですね。

北海道斜里町には蝦夷スカシユリの群落があるそうです。初夏から夏にかけて咲く百合の花、その香りからいにしえの人の百合への思いが伝わってくるようです。

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