青い海の向こうの南の島にプルメリアと言う、若く美しい女神がいました。ある日、プルメリアは人間の若者と恋に落ちてしまいます。神々のおきてを破って人間の若者を愛してしまったプルメリアは神の怒りをかってしまいます。
哀れなプルメリアは神の怒りによって火山から噴き出した熱い石に打たれ、命を落とすのでした。プルメリアが命を落とした場所から、薫り高い高貴な花が咲きました。女神の死を悲しんだ島の人々はその花を女神の名プルメリアと名付け、若い乙女たちはその花をレイにして飾るようになったそうです。(レイフラワーの語源)
このプルメリアの伝説がベースになって、中岡恭平氏の脚本で1980年代を代表するアイドル松田聖子さんが主演した映画「プルメリアの伝説~天国のキッス」の中でも、親の決めた相手(山下真司さん)以外の男性(中井貴一さん)を好きになってしまったヒロインのエイミー(松田聖子さん)が、愛する人を思いながら命を引き取る乙女の可憐な恋を描いています。
当時は松田聖子さんの人気に火がついたころでその主題歌「天国のキッス」と共にプルメリアと言うと「ハワイ」「海」「サーフィン」「松田聖子さん」と連想してしまうのは昭和な生まれの私だからでしょうか。
後年、初めて見たプルメリアの花はまるで造花のようなしっかりとした5弁の花びらを持ちジャスミンのような香りの南国ムード漂う花でした。プルメリアの花そして花言葉と伝説のつながりが気になります。
ちなみに個人的には「プルメリアの伝説~天国のキッス」のエイミーの松田聖子さんより「野菊の墓」の民子の聖子さんが好き!
プルメリアの基本情報
- 分類:キョウチクトウ科インドソケイ属 熱帯植物落葉・低木高木
- 学名:Plumeria L
- 和名:インドソケイ
- 別名:Temple tree、Lei flower
- 英名:Frangipani
- 原産地:中南米 カリブ諸国
- 開花時期:6〜10月
- 花色:白色 赤色 ピンク色 黄色など
- 誕生花:1月27日・7月14日・8月28日・9月15日・11月16日
プルメリアの学名・和名・別名
学名のPlumeriaは、17世紀フランスの植物学者シャルル・プリミエ(Charles Plumier)から付けられた。
学名の最後につくLは、命名者カール・フォン・リンネ(Carl von Linnè)の略記。
和名のインドソケイは、日本と縁の深いラオスの国花でもあり、代表種のPlumeria rubraの和名です。赤い花が咲き、ラオス語ではナグ チャンパ、仏事の献花やお正月の花として使われます。
英名のTemple treeは、寺院の木の意味で、プルメリアが熱帯の寺院に多く植えられていたところからそう呼ばれるようになった。Lei flowerは、ハワイ・フィジー・タヒチ島では、レイを作る花だからレイフラワーと呼ばれている。
夜明け前、朝露のついたプルメリアを摘んでレイを作り、愛する人に贈ると恋が成就すると言われています。
プルメリアの特徴
熱帯花木を代表するプルメリアは世界中の熱帯地域で栽培されます。樹高 0.5m~10m、常緑性と落葉性の品種があり常緑性の品種も寒さにあたると落葉する。枝は多肉質で柔らかく折れやすい、樹液には毒性があり直接触れると目や皮膚に害がある。
伐採植え替えなど作業時、また切り花の水揚げ時にはゴム手袋を使用する。乾燥に強く冬に乾かし気味に管理すると冬越しがうまくいきます。挿し木で増えますが、交配種が多いため元の木と同じ花が咲かない場合が多い。
現在は鉢植えの園芸品種がホームセンターなどでも手に入りやすく、鉢植えで管理したほうが育てやすい。中南米原産で原産地では300品種(準原種)を確認、交配種は1500~1700種もある。
その原種とされる品種は下記の7種類。
- Plumeria isabella (プルメリア イザベラ)
- Plumeria pudica (プルメリア プディカ)
- Plumeria caracasana (プルメリア カラカサナ)
- Plumeria cubensis (プルメリア キューベンシス)
- Plumeria stenopetala(プルメリア ステノペタラ)
- Plumeria stenophylla(プルメリア ステノフィラ)
- Plumeria alba (プルメリア アルバ)
1500種以上ある交配種の原点と思うと原種を見てみたいですね。
原産地
代表の2品種の原産地は、プルメリア ルブラ(Plumeria rubra)はメキシコからエクアドルにかけて多く見られるプルメリアの原種。10mにもなる大型、落葉性で花は主に紅色、多くの交配種がある。
プルメリア オブッサ(Plumeria obtusa)はキューバ、メキシコに多く分布。シンガポール、東南アジアに多く、常緑性で葉の先は丸みを帯び花は白。オブッサは準原種。
花色
- 白色
- 赤色
- ピンク色
- 黄色
花色は単一ではなく中心部に他の色が筋状になったもの、濃淡やフチと中心部の色が違うものなど多種。花は5弁で多種のねじれがある。
幸せを呼ぶ花プルメリア
しあわせを呼ぶ花と言われるプルメリア、通常花弁は5枚ですが、まれに、4弁の花があり、その花を見つけた人にはさらに素晴らしい幸運が訪れると言われています。
花色ごとの代表品種
- 白色花のプルメリア:シンガポールホワイト、サモアンフラッフ、ケンズホワイト、プディカ等
- 赤色の花のプルメリア:レッドシェード、ドナルドアンガス等
- ピンク色の花のプルメリア:グローブファーム、マウイビューティー、ピンクキッス等
- 黄色の花のプルメリア:ムーンライト、セラダイン、レモンドロップ
虹のように異なる色の濃淡の美しい品種(レインボウカラー)も人気。ルビーズレインボウ、インドネシアンレインボウ、レイレインボウ等。
プルメリアが誕生花のお誕生日
1月27日・7月14日・8月28日・9月15日・11月16日
しあわせを呼ぶプルメリアが誕生花なんて素敵です。プルメリアはハワイアンジュエリーのモチーフに好んで使われています、愛する人のお誕生日にプルメリアのジュエリーをその花言葉と共に贈るのも素敵ですね。
Plumeria プルメリアの花言葉
プルメリアの花言葉を知るのに重要な言葉があります。それはハワイ語での挨拶 Aloha アロハ です。Alohaの五文字をプルメリアの5枚の花弁に託しており、それぞれの言葉に意味があります。
L Lokahi ロカヒ 調和
O ‛Olu‘olu オルオル 喜び
H Ha’aha’a ハアハア 謙虚
A Ahonui アホヌイ 忍耐
いつも神様の前にいるような清い心で過ごしましょうとの思いが込められたアロハの心と神が宿る花と言われるプルメリア、そのプルメリアの花言葉もそんな精神が感じられます。
- 「気品」
- 「恵まれた人」
- 「陽だまり」
- 「内気な乙女」
- 「美しさ」
- 「しとやかさ」
女神の気品、朝露を含んだプルメリアに思いを託す乙女、南国に咲く花プルメリアのイメージ通りの花言葉ですね。
プルメリアの香り
樹液には毒性のあるプルメリアですが精油の香りにはストレスを和らげるなどの効用があります。白い花のプルメリアはジャスミンのような香り、ピンク色の花はジャスミンよりさらに甘い香り、黄色の花は桜桃のような香りがすると言われます。
どれも上品で癒される香りです、高級ホテルのアメニティやアロマテラピーにも使われ世界中の女性から愛されています。
Plumeria プルメリアの花言葉まとめ
プルメリアと言うとディズニーアニメの「モアナと伝説の海」で幼い頃のモアナの髪に飾られたプルメリアの花がかわいくて、「あの花なんと言う名前?」と思われた方もいらしたのではないでしょうか。
あの時モアナはプルメリアの花を左側につけていますが、太平洋の島々に暮らす女性は未婚の方は右に既婚の方は左にプルメリアの花を飾る習わしがあるそうです。小さなモアナどちらでも問題なかったのでしょう。
そんなプルメリアの花言葉は「気品」「恵まれた人」「陽だまり」「内気な乙女」「美しさ」「しとやかさ」です。
これから後は、薫り高いプルメリアの花を見るとプルメリアの花言葉と共に、プルメリアの花に託されたアロハの心が思い出す事でしょう。