♪ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子青い海からやってきた~♪
まだ記憶に新しい、2008年公開のアニメ「崖の上のポニョ」で主人公・宗介が通う「ひまわり園」や「ひまわりの家」には、グラジオラスの花が咲いている様子が描かれていたのを覚えていますか?
このグラジオラス、宮崎駿監督が強くこだわって登場させたと言われています。グラジオラスを球根から育てたことのある方は、固い球根から、ひょっこり芽を出し、ぐんぐん育ったグラジオラスがやがて次々と優しい柔らかん襞のある花を咲かせた時の喜び!忘れられないことでしょう。
そんな植物を育てたことをある方に共通の思いや、グラジオラスの花言葉の意味が込められているのでしょうか。
グラジオラスの基本情報
- 分類:アヤメ科グラジオラス属
- 学名:Gladiolus Tourn.exL(1753)
- 英名:Gladiolus
- 和名・別名:阿蘭陀菖蒲(オランダショウブ)、唐菖蒲(トウショウブ)、阿蘭陀あやめ(オランダアヤメ)
- 原産地:南アフリカ 地中海沿岸地方
- 開花時期:春咲き3~5月 夏咲き6~11月
- 花色:赤色、ピンク色、橙色、白色、青色、紫色、緑色など
- 誕生花:3月23日・3月29日・6月14日・7月13日・11月26日
グラジオラスの学名・英名・和名・別名
学名のGladiolusは、ラテン語のGladius(グラディウス)に由来する。剣を意味するその名前はグラジオラスの剣のような葉の形を表す。
Gladiolusの後に付いた、Tourn(Trunefort、トゥルヌフォールの略) L(Linné リンネの略)は共に1600~1700年代の博物学者、多くの植物の種のを分類し命名を行う。二人が命名したという意味。1753はリンネが命名した年号。
英名は、Gladiolusの他に、グラッド、古くはコーンフラッグ・コーンアイリス等。その葉の形からSword lily(剣の百合)とも呼ばれる。
和名・別名の阿蘭陀菖蒲(オランダショウブ)、唐菖蒲(トウショウブ)、阿蘭陀あやめ(オランダアヤメ)については、もともと日本に自生するグラジオラスはなく、明治初期に渡来した。その葉が同じ科のアヤメやハナショウブと似ている為、アヤメ、菖蒲と付けられた。現在ではグラジオラスの名で流通する。
グラジオラスの特徴
グラジオラスは古代ギリシャ時代に既によく知られた植物で花の模様からヒヤシンスの先祖と考えられていました。多年草の球根植物、水はけと日当たり、風通しを好み、鉢植えでも育てられるが背が高く育つので直植えがおすすめです。
多肥をこのまず、適切な水やりと夏場の直射日光に当たりすぎないように管理すると鮮やかな色の花で楽しませてくれます。花は夏咲きが主だが、春咲きもある。秋に葉が枯れた後の球根は掘り上げ陰干しにして管理し、翌春植え付ける。
茎は60~120㎝で直立し、剣状の葉を左右2列に付ける。茎の先端に穂状の花序をつける。苞に包まれた花序は下から 順番に開花。花は花穂の一定の面に横向きに咲く。香りのある品種もある。
原産地
地中海沿岸から南アフリカにかけて約250種が自生する。 18世紀半ばに東インド会社によりヨーロッパへ持ち込まれ、19世紀初頭から欧米で盛んに交配改良がおこなわれる。原産地の南アフリカで球根は食用とされており、栗のような味がすると言われる。薬草としてもつかわれる。
花色
- 赤色
- ピンク色
- 橙色
- 白色
- 青色
- 紫色
- 緑色
他に2色以上のグラデーションなど多種に富む。
グラジオラスの花色ごとの品種の一例です。
- 白色・・・アイスキャップ/ソフィー
- 黄色・・・トリスティス/ムーンミラー
- ピンク・・・ローズシュプリーム/ダンシングクィーン
- 赤色・・・マスカーニ/ハンティングソング
- 橙色・・・カリオカ /プリンスオブオレンジ
- 黄緑色・・・アリシア/グリーンスター
- 紫色・・・モヒート/バックスター
南アフリカのジンバブエとザンビアの国境にあるビクトリアの滝は世界三大滝として有名ですが、ビクトリアの滝の近くザンベジ川に橋(ビクトリアフォールズ橋)をかける仕事をしていたフランシス・フォックスは、滝の飛沫で煙る場所に水から雄しべを守るように、上部の花弁がフードのようになって咲いていたグラジオラスを発見します。
大切に持ち帰ったグラジオラスの原種は「メイド・オブ・ザミスト(霧の乙女)」と名付けられました。この種の交配した結果、グラジオラスにオレンジ色や黄色が生まれました。未開の地で咲く滝の飛沫が煙る中咲くグラジオラスなんて神秘的なのでしょうか。
Gladiolus グラジオラス が誕生花のお誕生日
3月23日・3月29日・6月14日・7月13日・11月26日
Gladiolus グラジオラスの花言葉
- 「密会」
- 「用心」
- 「思い出」
- 「忘却」
- 「勝利」
- 「誠実」
- 「友好」
- 「忠実」
- 「気高さ」
- 「記憶」
これだけ色々な花言葉がある花はあまりありません、それはグラジオラスの花の形、色が多種に及ぶことからきていると推察されます。
花色別の花言葉は赤色のグラジオラス 「堅固」「用心深い」、ピンク色のグラジオラス「たゆまぬ努力」「ひたむきな愛」「満足」、紫色のグラジオラス 「情熱的な恋」。
「崖の上のポニョ」では、ポニョの一途で情熱的な思いや、宗介の与えられた試練に対する努力、そして映画の主人公を見守るように咲くグラジオラスの花、グラジオラスの花言葉と映画のストーリーを重ねて観るも楽しいですね。
Gladiolus グラジオラス の花言葉まとめ
グラジオラスの花には一つの言い伝えがあります。昔ローマに残忍な司令官がいました、彼はトラキア人を戦士として鍛えるため、その意気を高めるため、トラキア人の中でも一番勇敢で機敏な二人を戦わせようとします。
勝ったものには自由と自分の美しい娘を与えると言い二人を戦わせようとしますが、中の良い友人である二人は剣を地面に突き立てたたきを拒みました。命令に背いた二人はその場で処刑され、二人が亡くなった後に、二人が戦いを拒み地に突き立てた剣から2本のグラジオラスの花が咲きました。
この言い伝えから、二人の騎士の「友情」「気高さ」友を裏切ることのない「忠実」さ、そして二人の勇敢な戦士の「記憶」と言う花言葉が生まれました。「密会」「用心」「忘却」等の花言葉も真逆なようですが、騎士に対する警告であると考えると納得できます。