- 学名 :Syringa vulgaris
- 英語:ライラック Lilac
- 仏語 :リラLilas
- 和名:ムラサキハシドイ(紫丁香花)
「蝶来ると 見れば いつしか リラ咲けり」 水原秋櫻子
古くから、俳句や和歌、小説に登場するライラック。日本ではフランス語の「リラ」と言う呼び方のほうが親しみ深いでしょうか。涼冷な地域を好むライラックは、札幌の木としても有名ですね。
五月、一斉に咲き始めるライラックの花に長い冬が終わり、訪れた「春を告げる木」として愛されております。
宝塚歌劇のテーマソング「すみれの花の咲く頃」の原題は「リラの花の咲く頃」で、リラの花の咲く頃が春爛漫の最も良い季節であることを歌っています。
モクセイ科のライラックは金木犀のような小さな花が枝先に穂状にフサフサと咲きます。香料にも使われるその花は濃い香りと可憐な姿で見る人に安らぎを与えてくれます。
ライラック Lilac 分類と特徴
- モクセイ科 ハシドイ属 落葉低木
- 学名:Singa vulgaris
- 原産地:ヨーロッパ アジア・東南ヨーロッパ・南北アメリカに分布
*ヨーロッパ原産とされるがその原種はイラン原産とされる。中世、ヨーロッパへ伝わり。その愛らしい姿と香りが人々を魅了し世界に広まった。 - 開花時期:4月から6月に小花が枝先に穂状に集まって咲く
- 生育地域:寒冷地を好み東北・北海道の公園・街路樹に多い
- 花の色:淡い紫の他、白色、青紫、ピンク、赤など小花は円錐形の房、花先は4烈
永遠に幸せ ラッキーライラック
ライラックの花の花先がまれに5つに分かれた花があり「ラッキーライラック」と呼ばれ幸運のお守りと言われます。もしあなたが5烈の花を見つけたら。黙ってそのまま飲み込みましょう。
愛する人と永遠に一緒に幸せに過ごせるおまじないです。
ちょっと待って!ライラックは食べられるの?
答えはYES!ライラックの無毒は、公益財団法人日本中毒センターで無毒の植物として公表されています。安心して飲み込んでください。ライラックが食べられると言えば、近年、注目されている。
「ライラック乳酸菌」は、ライラックの花から生まれた乳酸菌で「美しい腸内フローラ」と呼ばれ、腸内を健康に保つ機能を認められ国内初の機能性表示食品として認定されました。
美しい花から作られた乳酸菌で腸内が健康になるなんてすばらしいですね。
ライラックの花言葉〜紫色・白色・ピンク色〜
ライラックは200以上の品種があり、花の大きさ、色も様々。代表的な紫でも淡い紫、濃い紫、赤紫、青紫と微妙な色の違いを合わせたら何種類になるかわかりません。他にも
- 白色
- ピンク色
- 濃いピンク色
- 白いフチ
等。接ぎ木で増やすこともあり突然変異的に生まれる色もあります。そんな様々な色のライラック、花言葉も色々あるのでしょうか。
ライラックの花言葉(すべての色に通じる花言葉)
- 「友情」
- 「誇り」
- 「謙虚」
- 「美」
小さな花がいくつも一緒に咲く姿は仲の良い友達同士のようにも見えますね。濃い紫色のライラックの花には気品のある女性の様、花言葉を知って花を見ると深く花を知ったように感じます。
紫色のライラックの花言葉
- 「恋の芽生え」
- 「初恋」
淡い紫色のライラックはまさに初恋の色、学生時代に読んだ、萩尾望都さんの漫画「ゴールデンライラック」。咲きほこるライラックの茂みの中で始まった主人公の恋を思い出し胸がキュンとしてしまいます。
愛する人へライラックの香りの香水を
ライラックの香料は
- バラ
- ジャスミン
- スズラン
と共に4大フローラルと呼ばれています。一流ブランドの調香師に愛される香り、愛する人へ贈るのにふさわしい香りです。香りの記憶が愛を一層深めてくれそうです。
ライラックの香料が使われている香水
- エスティーローダー エアリンライラックパス
- ゲラン シャンゼリゼ
- ランバン エクラドゥアルページュ
- グッチ ギルティプラチナエディション オードトワレ
- 日本行香道 パシフィカフレンチライラックロールオンパフューム
ライラックの香りは抗うつ、鎮静をいざない、うつ気味の心に明るさを呼び込んで
- リラックスさせる働き
- 気持ちを安らかにさせる効果
があります。幸せな記憶を呼び覚ますともいわれ、精油はアロマテラピーに使われます。
紫色の花のライラックのおすすめの品種
ラベンダー色の淡い紫の花が咲く、ラベンダーレディ、花穂が大きく良い香りが人気。庭に植えたら春が楽しみになりますね。
白色のライラックの花言葉
- 「若者の純潔」
- 「青春の喜び」
- 「無邪気」
花嫁さんのブーケとして人気の高い白色のライラック。女の子が生まれたら庭に白色のライラックを植えて、旅立つ日。ライラックの白い花束をプレゼントできたら素敵です。白色のライラックの清楚な姿と気高い香りがそんな夢を運んでくれます。
白色のライラックはその優しい姿と香りからか葬儀に使われた歴史があり、ネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、日本では白い百合に代表されるように白い花は冠婚葬祭どちらにも使われます。
白のイメージの荘厳さ気高さ純潔さが魂を慰め、また無垢な喜びを表しているからと思います。私的にはそれだけ愛される色の花だとポジティブにとらえて使っています。
白い花のライラックおすすめの品種
クリームイエローの蕾から開花すると白色になる八重咲のマダムレモネイ、純白で八重咲のゴージャスな花は花嫁さんのブーケに人気です。
ピンク色のライラックの花言葉
「思い出」
淡いピンクのライラック、初恋の思い出。濃いピンクのライラックは少女時代の華やかな日々の思い出でしょうか、そんなことを考えながら懐かしい人に贈る花を選ぶのも楽しいですね。
ピンク色の花のライラックのおすすめの品種
エスタースターレー、赤紫のつぼみが咲くとピンクの大輪の花に濃厚な香りが人気です。
シンガーソングライター中島みゆきさんの「リラの咲く頃」と言う曲は祖国への思いをリラ(ライラック)に託した歌として聞く人の心に郷愁を誘います。
札幌市出身の中島みゆきさん、故郷のライラックの花に思いを寄せて作られたのでしょうか、あたたかい歌声が心に響きます。