泰山木(タイサンボク)は、とても背が高い木です。公園などによく植えられているようです。
しかし、教えてもらうまで気がつかない、名前を聞いただけではどのような花を咲かせるのか分からないという方も案外多いのではないかと思います。
調べてみると魅力的な部分が多い泰山木についてご紹介します。
泰山木(タイサンボク)の基本情報
- 科・属名:モクレン科モクレン属
- 学名: Magnolia grandiflora
- 和名・別名:大山木、白蓮木
- 英名:Southern magnolia
- 原産地:北アメリカ中南部
- 開花時期:5月~7月
- 花色:白
- 誕生花:6月…8日、17日/12月16日
泰山木(タイサンボク)の名前の由来、特徴、種類
泰山木は、モクレンやコブシなど、モクレン属の仲間です。モクレン属は、英語で「マグノリア」と言います。名前には、2つの由来があると言われています。
1つは、葉と花がとても大きく立派であることから、中国山東省にある名山・「泰山」にちなんでいるというものです。
もう1つは、花びらが大きな盃に似ていることから「大盃木」と呼ばれ、その音がなまったというものです。「大山木」とも書きます。別名は「白蓮木(ハクレンボク)」と言います。白い花に由来しているのでしょうか。
北アメリカ原産で、ミシシッピ州とルイジアナ州の州花です。日本には明治時代に伝えられました。伝えたのは当時のアメリカ大統領夫妻です。学名の「マグノリア」は、フランスの植物学者であるピエール・マニョルからきています。
泰山木の主な特徴は、名前の由来のところにも書きましたが、大きな葉と花です。葉は濃い緑色で、光沢があります。裏側には、茶色の毛がたくさん生えています。花は上向きに咲き、色は真っ白です。背の高さと花の向きから開花に気づかないこともあるようですが、シンプルでありながら美しい花を咲かせます。
また、非常に良い香りがします。マグノリアに分類される花は香りがするものばかりですが、香りの成分として「マグノリア」と呼ばれているものは、泰山木のことです。花びらは食べることも可能で、甘味があるそうです。
花びらを盃にしてお酒を飲むと、不老長寿になるという言い伝えも存在しているようです。泰山木は背が高い木ですが、庭木としてもよく用いられています。いくつかの種類をご紹介します。
- ホソバタイサンボク…泰山木に比べて葉が細い。大きな花を咲かせる。
- リトルジェム…春から秋にかけて開花する四季咲きの品種。背があまり高くならない。
- ヒメタイサンボク…泰山木に比べて花が小さく、数も少ない。
泰山木と俳句
泰山木は、俳句において夏の季語として使われます。一句ご紹介します。
昂然は、意気が盛ん、自信をもって誇らしげといった意味があります。花を咲かせる泰山木の隣に立ち、何か決意したり覚悟を決めたりといった様子が想像できますね。
泰山木(タイサンボク)の花言葉
泰山木の花言葉は、
- 「前途洋々」
- 「壮麗」
- 「威厳」
- 「真の輝き」
などです。
前途洋々は、今後の人生が開けていて、希望に満ち溢れている様子という意味です。泰山木の背が高く伸び、上を向いて花が咲く姿から連想したようです。
壮麗は、大きく立派で美しいという意味です。建造物によく使われる表現というイメージがあります。そのまま泰山木の花を見たときに感じることという印象です。威厳も、泰山木の堂々とした姿にぴったりの花言葉です。
真の輝きは、気づかれないことがあってもしっかりと美しい花を咲かせる姿からきているのかもしれません。
まとめ
泰山木については、学校や公園、街路で見かけていたかもしれないけれど、思い出せないというレベルでした。しかしながら、俳句の季語に使われているほど有名で、綺麗な花を咲かせるということに驚きました。
庭木に使われていたらじっくりと花を観察する機会もあったかもしれないと少し残念に思いました。真っ白な花を咲かせるところ、持っている花言葉から、花嫁に合う花ではないかと思いました。