春の温かくなった頃に、大輪の華やかな花を咲かせるキンセンカ。その姿を見ているだけで元気を貰えますよね。
しかし、キンセンカには悲しく切ないギリシャ神話のように、プレゼントには相応しくない花言葉がつけられているのです!
キンセンカをプレゼントとして贈りたいと思っているあなたは、まず花言葉を知っておく必要がありますよ。
今回は、キンセンカの花言葉と、花の誕生にまつわるギリシャ神話などをご紹介します。
キンセンカの基本情報
- 科・属:キク科キンセンカ属
- 学名:Calendula officinalis
- 和名:金盞花(キンセンカ)
- 英名: Calendula、Pot marigold
- 別名:カレンデュラ、ポットマリーゴールド、長春花(チョウシュンカ)
- 原産地:地中海沿岸、北アメリカ、中央アメリカ、南ヨーロッパなど
- 開花時期:12月~5月(出回り時期10~5月)
- 花色:黄色、オレンジ
- 誕生花:1月12日(黄)、1月20日、2月8日、2月9日、2月13日、3月26日(オレンジ)
キンセンカとは?花の特徴を解説
キンセンカは、春先に太陽のような黄色やオレンジの花を咲かせる一年草です。宿根草のものは冬を越すことが出来ることから「冬知らず」という名前で市場に出回っています。
ヨーロッパではハーブとしても親しまれており、その花色の美しさからエディブルフラワー(食用花)としても利用されています。
キンセンカは
- 「エジプトサフラン」
- 「貧乏人のサフラン」
とも呼ばれていて、花弁がサフランの代表品として使われることが多いです。中世の頃にはキンセンカを見ているだけで、視力が回復するなどといわれていたようですよ。
草丈は20cmほどで、花径は10cmくらいの一重や八重咲きのもの、中央に黒いスポットがあるものなど色々あります。
キンセンカの名前の由来は?
キンセンカの鮮やかな黄色やオレンジは黄金色に例えられることが多く、その花の形が盃(さかずき)のような形をしていることから「金盞花(きんせんか)」と名付けられました。
また英名のCalendula(カレンデュラ)は、ラテン語でカレンダーを意味するカレンダエ(1ヶ月という意味)が語源となっていて、キンセンカが1ヶ月近く長期に咲く花ということで、名付けられたとの説もあります。
キンセンカの花の誕生にまつわるギリシャ神話とは?
キンセンカの花が誕生した背景には、悲しく寂しいギリシャ神話が関係しています。昔々…水の精クリティは、太陽神アポロンに恋をしていました。
しかし、アポロン神にはレウトコエ王女という恋人がすでにいたのです。このことに嫉妬したクリティは、なんとかアポロンの気持ちを自分に向かせようとしました。
振り向かせることに必死のクリティは、2人の関係を王女の父に密告してしまいます。その事実に怒り狂った王女の父は、こともあろうか娘を生き埋めにしてしまったのです!
嫉妬に狂ったとはいえ、そんな非道な行為をしてしまったクリティは自分の行いを恥じ、9日間じっと空を通り過ぎてゆくアポロン神(=太陽)を眺めていました。
そのうちクリティは、キンセンカの花に姿を変えてしまったのでした。このような悲しくも寂しいギリシャ神話は、キンセンカの花言葉にも関係してきます。
キンセンカの花言葉には気をつけて!贈る時の注意点とは?
キンセンカの全般の花言葉は
- 「失望」
- 「別れの悲しみ」
- 「悲嘆」
- 「絶望」
です。この花言葉を見るだけで「ああ…プレゼントには間違っても贈れないわ」と思ってしまいますよね。
このような悲しげな花言葉がつけられた背景は、上述したギリシャ神話も関係していますが、キンセンカの花色にも関係あるのです。
暖かな気持ちにさせてくれるキンセンカの黄色は、一般的に西洋では『不吉な色』とされているのです。これはローマ帝国による、キリスト教迫害の歴史が深く関わっています。
キリスト教では黄色という色は、裏切り者のユダの服の色やキリストを迫害したローマ皇帝が着ていた服の色とされているのです。
このようにキンセンカにはネガティブなイメージの花言葉が多いので、花束などにして贈るのはさけた方が無難でしょう。
どうしても贈りたいときには
- 鉢植えを贈ったり
- ハーブとして使える乾燥したもの
- オイルや化粧水に加工したもの
を贈ったりするといいでしょう。
まとめ
キンセンカの鮮やかな黄色やオレンジの色は、風水的に見ると金運が良くなったり、人間関係を円満にしたりするともいわれています。
花言葉だけを見るとネガティブなものが多いので、贈り物の花としては相応しくないように感じますが、鉢植えや加工するなど工夫することで贈ることも出来るのです。
ぜひ、太陽のように明るい色のキンセンカを、効果的に利用したいものですね。